The 13th Lab. −第13研究室−

豊田市の次世代育成事業「学生とハタラクをつなぐPROJECT(通称:ハタPRO)」の「発見!ハタラク職場ツアー」の研修講師蒹ツアコンを担当した。

1 「ハタPRO」の位置づけ

「ハタPRO」は、豊田市子ども部次世代育成課が、

これから社会に出る学生にとって、豊田市内の魅力的なハタラク職場の発見や、「ハタラク」ことの意義、価値観について学ぶきっかけとなり、「次世代のまちづくりを担う若い力」を育む

ことを目的に主催し、NPO法人働く人の笑顔創り研究所が運営しているもので、「語る!ハララクカフェとよた」、「突撃!とよたの経営者塾」、「発見!ハタラク職場ツアー」、「学生とハタラクをつなぐシンポジウム」の四つのプログラムで構成されている。
今回お邪魔した「発見!ハタラク職場ツアー」は、市内の中小企業に実際に赴き、ハタラク現場の実態を見てもらおうというのが趣旨だ。

2 見学前の仮説を立てる事前研修

ツアーのスタートは8時。名古屋駅前で名古屋から参加する学生のピックアップから始まる。今回は三重県の桑名市から参加してくれた学生もいて、最初から意気込みが感じられる状況だ。
9時に豊田市に到着し、市内参加組と合流して、事前研修を行う。ここでは、アイスブレイクの後、今日一日の目標設定をしてもらう。
といっても、数値目標等を定めるのではなく、訪問・見学予定の企業の概要を紹介し、その企業についての仮設を立て、それを検証するためになにを見、なにを聞かなければいけないかを考えるものだ。
特に、訪問先での質問は

「私はこのように考えているのですが、じっさいはどうなのですか?」

という問い方をするようにする。
この仕込みをしておくだけで、漫然と見学して得られる「良い勉強になりました」などという振り返りとは無縁になる。

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3 現場でのインプット

今回お邪魔した先は建設業と製造業の会社。
建設業の会社では、専務から公共インフラの修理・再生に関する管理の仕事について説明を受け、地元企業で働くことの意味なども語っていただいた。また、製造業の会社では、自動車部品の製造プロセスを見学し会社の今後の方向性などの話を聞かせていただいた。
さらに、昼食時には豊田市内の農業や、関連した飲食業、小売業の話を聞き、学生にとってはオーバーフロー状態が続く。
それでも、見たもの聞いたことひとつひとつをワークシートに記録し、インプットを重ねていった。

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4 自分なりの解と「もやもや」を生み出すふりかえり

訪問・見学を終えて戻ってくるとふりかえりの研修が待っている。
今日一日の中でどのような仮説を持ち、問いを立て、なにがわかったかを共有する。
さらには、よく分からなかったり、かえって疑問が深まってもやもやしていることなども共有し、参加者それぞれの視点から見た企業像を描いていった。
最後に、今日一日の体験を通して、なにに気づいたかを共有してもらったが、この部分だけはあえて一切の介入をせず、参加学生に場を委ねた。
「大人が示す正解」ではない、「必ずしも適切ではないかもしれないが自分で編み出した解」を大事にしてもらいたいという意図があるからだ。
もちろん、最後の「まとめ」もせず、それぞれの人が気づいたことや、他者から聞かされても十分に消化できていなかったりすることをそのまま持って帰ってもらうようにした。
その「もやもや」感こそが、自ら学ぶための原動力の一つとなるからだ。

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「なぜだろう?」という疑問は、人間にとってとても大きな力だと思う。
疑問を持つことは世界と自己の関係を理解しようとする心と頭の働き。
どのような教育プログラムにおいても、第一に仕込んでおかねばならないことではないだろうか。
今日の参加者のみなさんが、これからより広い範囲の出来事に疑問を持ち、その疑問に自分なりにアプローチしてくれるようになることを願い、また、その機会を増やしていきたいと思う。

「私はこのように考えているのですが、じっさいはどうなのですか?」と問う企業見学第13研究室で公開された投稿です。

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