The 13th Lab. −第13研究室−

5月13日〜14日は東京にて「チャレンジコミュニティ・プロジェクト」のギャザリング(集合研修)。

集合研修といっても、相互に知恵を出し合い磨きあうというのが基本姿勢。
全国のCP(チャレンジ・プロデューサー)団体の経営状態や今後の取組に対するアドバイスを受けるVBM(バーチャルボードミーティング)や事例研究などを中心に戦略会議が挟まることもある。
「退役CP」である私の役割は、若手の地域コーディネーターのための研修が主たるもの。
今回も2時間半×2回という、なかなか重量級のオーダーを頂いた。

1 「将来の利益」への道のりを確認するヒアリング術

研修の前半は

企業の「本当の課題」を聞き出すヒアリング術

と題して、企業の経営革新を加速するパートナーとしてのヒアリング手法について。
流れとしてはそれほど難しいものではない。

難しいのはむしろ、コーディネーターが冷静に状況を分析しつつ、その上で経営者の気持ちにどれだけ寄り添えるかという点。
なれないうちは、「経営者が本気でやりたいこと」を形にすることに務めるが、多少経験を積むようになると、「経営者の本気」をちゃんと疑ったり、数字に落とし込んだりという冷静さを発揮することが求められるようになる。
その際に必要になるのが、企業の現状を理解し未来を描くためのフレームワーク。
私の研修では、企業経営をシンプルに理解し、かつ現実性の高い提案ができるフレームワークとして「戦略マップ」を使用しているが、他のものが使いやすければそれを使ってもかまわない。
ただ一点、企業経営、特に企業の経営革新について考えるのであれば

「将来の利益 = 新たな収益源」を生み出す

という感覚は持っておく必要がある。
経営者の仕事は将来に渡って利益を出し続ける、すなわち顧客に価値を提供し続けることであり、実践型インターンシップはそのための手段のひとつだという点を理解しておくべきだ。

この点を理解していると、基本的なヒアリングの流れは極めてシンプルなものになる

  1. 将来の利益を生み出すために、新しい商品、価値、売り方のどれを開発するか
  2. どんな顧客のどんなニーズに対してどんな商品サービスで応えるか
    (ニーズは、高級、カスタム、低価格、安心くらいに分類しておき、そこから絞り込む)
  3. イノベーションを起こす仕組みと、顧客との関係性を構築する仕組み
  4. それらに必要な人の育成と組織づくり

この四点を順番に聞けば、インターンシップの同友が適切であるか、適切だとしてどのようなプロジェクトにすべきかの大枠ぐらいは分かる。
その上で、適切な資源を企業様に対してコーディネートするのがコーディネーターの役割になる。

2 インターンシッププロジェクトの設計

研修の後半は、ヒアリング結果を踏まえたインターンシッププロジェクトの設計手法について。

実践型インターンシップによって経営革新を推し進めることができる原理と、そのために仕込んでおくべきことについて紹介した上でモデル企業の事例を用いた演習を行った。

実践型インターンシップの設計で外してはいけない点は、

経営者とインターン生による仮説検証

のプロセスだ。

  1. 経営者の仮説をインターン生が実行し、顧客や社会からのフィードバックを持ち帰る
  2. そのフィードバックをもとに新たな仮説を経営者とインターン生が設定する

そのプロセスが保証された上で高いハードルに取り組むことが、事業成果につながりインターン生の能力を最大限に引き出す仕組みだといえる。
そのための設計手法を身に着けておく必要がある。

3 受講生の声

前半の講座に参加した受講生からは、次のような感想や気づきを頂いた。財務に触れる必要性や課題の意味を理解していただけたのは嬉しい限りだ。

  • 売上や経常利益、新規事業にどれくらい投資するかという”お金”の話をすることが学びでした。明日の利益を生み出すための課題(チャレンジ)はお金にどれだけ本気で向き合っているのか。CDが言語化してプロセスを作る・伴走することが重要だと気付きました。
  • 財務的な目線が必要。将来の利益を軸にして考えること。仮説を立てて問いかけることの大切さ。
  • どんな企業とコラボしてはいけないか、すべきかを具体的なイメージが沸いて今後の動きに活かそうと思いました。すぐ使える資料をありがとうございました。
  • 課題を聞き出すためにはまず「ビジョン」という話はすごく腑におちた。それを達成するためのステップとして、解決すべき課題があり「ビジョン」が明確なほど具体的のその事業のヒアリングが出来る。
  • これまで企業への1回のヒアリングの中で、必要な情報を聞き取れずに後悔することがあり、今回の分科会では、なぜその情報が必要がになるのか根拠づけてインプットできた。課題を引き出すというよりも相手の持っている仮説を引き出すことなのか。
  • コーデネートとして、企業と学生それぞれの想いに向かい合ってたことはしていたが、企業に向き合う本当の価値を提供するという点で、課題を感じておりそのノウハウをいただけたから。フォーマットも共有していただけた。
  • 課題をきくとマイナスない印象をうけますが、企業にとって何か新しい取り組を起すうえで必要なこと(チャレンジ)という認識を改めてもてました。
  • フレームをおさえることで情報量・質・共にむら無くヒアリングできるので今後にいかしていきたい。

また、後半の講座に参加した受講生からは、次のような感想や気づきを頂いた。実践型インターンシップが企業の経営革新のどのフェーズにフィットするのかを理解していただけたようだ。

  • インターン生を投入すべき部分は、”誰がやってもも成果が予想できない部分”というお話が新たな発見でした。社長のやってみたい事業の表面だけでPJ設計をするのではなく、企業のビジョンに対する本質的な課題を分解し、そこにインターン生をいれる。実践していきたいです。
  • ヒアリングをどうPJに落とし込むか、その判断基準は何なのか。について方針をいただくことが出来た。
  • 「仮説検証を内部リソースでできないことでやる」ということがわかりやすいなとおもった。
  • PJとは…社長が本気でやりたいこやとの試行錯誤や仮説検証をすることも大事。
  • 本題の件はもちろん、小技として出してくださったNGWordなども参考になった。よく使っていたので気をつけます。
  • 「中小企業」の事業としての考え方が少し学べた。売り上げや成果目標も具体的に考えることで、よりPJがとがって面白い。
  • 企業の持つ悩みややりたいことにフォーカスを当てるのではなく、本当の課題に対しての提案をすることで、経営革新につながるPJになるのだと理解しました。切り出し方を限定せずに、新たな視線をなぜ?どうやってという視点を追加したいです。
  • 何が一番その企業の課題か?を客観的俯瞰的視点&社長がかなえたい夢・ビジョンは?
    →をインターンという手段でどう実現するか。長期的な視点が必要。実際の事例をもとにしていてとても分かりやすかったですが、もう少し時間が欲しかった。
  • 具体的企業課題を引き出すに当たって、質問項目を学ぶことが出来た。実際にロールプレイの時間もあったので具体的にイメージできた。
  • PJ設定するときに企業さんがやりたいこと。夢のどのプロセスですればいいのかわかった。

地域コーディネーターの集合研修第13研究室で公開された投稿です。

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