The 13th Lab. −第13研究室−

東北学院大学にて若手職員向け研修を担当した。

1 戦略的な大学職員になる

大学の職員に求められる能力は以前と比べると随分変化している。かつては手続き的な業務を正確に遅滞なく進めることが求められてきた。それが変わったきっかけは1991年の「大学設置基準の大綱化」だ。この時点で変化をまともに受け止めた大学職員は少数派だっただろうが、「特色のある教育」から「機能分化」へと進む大学経営の流れの中で、それらを担うべき大学職員の能力向上は極めて重要な課題となってきた。簡単に言えば

大学の経営陣

としての役割が期待されるようになった。これが「大学アドミニストレーター」という考え方だ。更には、より専門性を高め、教育に関与する職員の育成なども求められるようになっている。
それらを担うべき若手職員の能力向上が今回のお仕事。

そこで、今回の研修テーマは

戦略的な大学職員になること

とした。
日常業務をこなすだけではなく、全学的な視野を持ち、大学の将来に必要なアクションを自分起点で起こすことができる職員が増えることがこれからの大学経営にどうしても必要になるからだ。

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2 お題は私立大学改革総合支援事業

そのために、「私立大学改革総合支援事業」を題材とした。
これは、文部科学省の大方針のもと各私立大学がどのように教育・研究・社会貢献の環境を整えているかを問われる事業で、

  • タイプ1「教育の質的転換」
  • タイプ2「地域発展」
  • タイプ3「産業界・他大学等との連携」
  • タイプ4「グローバル化」

の四つの観点で達成すべきすべき項目が定められており、その達成状況に応じて「経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援する」というものだ。「重点的に支援する」からと言って予算総額が増えるわけではない。支援、すなわち補助金の原子は、すべての大学に対する補助犬を一旦減額することで生み出す。したがって、それぞれのタイプで示された項目をクリアできていない大学は、自動的に補助金がぐっと少なくなるという仕組みだ。

だからといって、与えられた項目をクリアすることだけに汲々していては、大学の特色も何もあったものではない。時代額が学生や社会にどのような価値を提供するかを十分に見極め、戦略的に考え

将来クリアしなければならない項目

に対して先んじて取り組んでおくことが求められる。

と、このレベルの話になると管理職研修のテーマになるので、若手職員の皆さんにはさしあたり、自大学で達成できていない項目を達成するにはどうすればよいかを考えていただいた。

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3 部署の壁を超える

戦略的なことを実行する際には、複数の部署にまたがる動きが欠かせない。
自分の小さなテリトリーの中でのみ仕事をしていては、全学的な動きなど到底おぼつかない。

そこで今回は様々な部署から着た若手職員で混合チームを作り、その中で何を達成すべきか、そのために何をするかを議論してもらった。彼ら自身は、これ「を研修のための設定」と受け止めているだろうが、こういうことを何度も積み重ねると、世紀の組織図に加えてインフォーマルなネットワークが形成されるようになる。これが先々、複数部署の連携のコアになる。職員個人の能力開発だけではなく、組織としての創発可能性を高めることにつながるのだ。


研修自体は、ケース学習とワークショップの組み合わせで進行し、自分たちのチームで取り組む具体的なアクションを宣言してもらった。ただし、アクションは宣言しただけでは意味がない。実行しないのなら宣言が嘘になってしまい逆効果ですらある。
研修のための研修ではなく、実践を伴い本当に若手職員の動きが大学全体によい影響を与えられるようになるための研修である以上、アクションの実行状況の確認が欠かせない。

・・ということで3ヶ月後を楽しみにしていよう。

 

 

戦略的な大学職員を育てるためのSD研修第13研究室で公開された投稿です。

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