The 13th Lab. −第13研究室−

東北生活文化大学にてFD研修を実施した。
今日の研修テーマは

教学マネジメントの視点から見たCOC+事業

まさに、COC+の根幹に関わるテーマだ。
COC+事業に限らず、大学が取り組むべき事業にはいまや教学マネジメントの考え方は外せるものではない。

1 教学マネジメントという考え方

教学マネジメントという考え方が日本の大学に広まったきっかけは、「平成24年度中央教育審議会答申」、いわゆる学士課程の質的転換に関する答申だ。
そこでは、これからの成熟社会の像として「知識を基盤とした 自立、協働、創造モデル」が提唱された。
そのような社会では

想定外の事態に遭遇したときに、そこに存在する問題を発見し、それを解決するための道筋を見定める能力が求められる

とし、

生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材

を育成することがが求められた。
これが、アクティブラーニングへの転換だ。
そして、そのために学士課程をプログラムとして機能させ改善するためのマネジメントとしての教学マネジメントが必要とされるようになった。

2 COC+事業における教育課程の編成、運用、評価

宮城県のCOC+事業「みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成」事業では、設計当初から教学マネジメントの仕組みが組み込まれている。

単位互換コア科目として設定されている地域科目群(「地域の課題I」、「地域の課題II」、「地域課題演習」)は、教養教育科目や専門教育科目から独立したミニカリキュラムとして設計されている。
そこには、疑似ディプロマ・ポリシーとミニカリキュラム・ポリシーが設定され、それにしたがって各科目の位置づけと内容、学習方法が設計されている。
特に、深い学習を目的としたアクティブラーニング、すなわちディープ・アクティブラーニングに向けた設計として、カリキュラムの進行に合わせて知識伝達型の学習スタイルから仮説検証型の学習スタイルになるように科目を設計し、配置している。
さらに、これらのミニカリキュラムは「地域高度人材指標」をアセスメントポリシーとして運用され、学期ごとに改善されている。

各科目の設計でも、

  1. 認知的コンフリクトの設定:学生のこれまでの知識やスキルで対応できない課題
  2. 学生の相互作用の設計:ディスカッションや協働の機会
  3. 形成的評価の設計:評価指標に基づくミニッツペーパーの課題設定

の三点を必ず仕込むような設計と運用をしている。
その流れの中で、教育的効果は「地域高度人材指標」にもとづき評価され、プロジェクト全体は詳細な記録に基づく自己評価と外部評価をもとに改善される。

これらの取り組みは教学マネジメントそのものであり、COC+事業が、単なる地元就職支援の事業ではない所以だ。

3 専門人材としてのCOC+推進コーディネーター

教学マネジメントとしてのCOC+事業の運営の中核を担うのがCOC+推進コーディネーター。
「みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成」事業におけるコーディネーターの業務は、

  • カリキュラムの設計
  • 授業の設計/運用
  • 授業評価と改善
  • 地域支援/企業支援/キャリア支援
  • 課外プログラムの設計/運用
  • 学外(自治体、企業、高校)との連携
  • 部会への参画

と、極めて多岐にわたる。

それらの業務の意味と意図を理解し、地域と協働した学習システムの構築に取り組むこと、言い換えれば

地域全体を大学を核とした学習コミュニティとするための教学システムの設計、運用、評価

がCOC+推進コーディネーターの本当の役割なのだ。

教学マネジメントとしてのCOC+事業第13研究室で公開された投稿です。

コメントは利用できません。