The 13th Lab. −第13研究室−

一年ぶりの函館。函館法人会様のお招きで「4ステップでできる経営戦略」セミナーを実施した。
今回のセミナーの内容は、キャプランとノートン『戦略マップ』をベースに、中小企業の事業開発を前提とした経営戦略の策定方法をお伝えするものだ。
そもそも経営戦略は、企業がその「あるべき姿」に至るハードル、すあわち経営課題を解決していくために「何にどれだけの資源を配分するか」を決めるものだ。
では、「あるべき姿」をどのように描けばよいのか。
それを考えるために戦略マップの枠組みを活用する。

1 「将来の利益」のために

戦略を考える際の起点となるのは、

「現在の利益」と「将来の利益」のそれぞれを得るために経営資源をどのように配分するか

という点。
現状のビジネスの生産性を上げることに重点を置くのが「現在の利益」を得る考え方。
一方、新しい商品・サービス、新しい市場や顧客、新しいパートナーとの連携によって生み出すのが「将来の利益」だ。
現在のビジネスがあまりうまく言っていないという場合はもちろん、たとえ今順調であってもそれが未来永劫続くわけではないのだから、「将来の利益」のためにヒトやカネを投入するのは当然のことだが、実際にどれだけのカネやどんなヒトを投入するかは考えなければならない。
最も、ヒトに関して言えば、エース級の人材は常に「将来の利益」の獲得のために投入すべきだ。そこでは、適切な仮説検証が求められ、高い能力が必要とされるからだ。

2 自社の個性に合う顧客を選ぶ

「将来の利益」は、新しい商品・サービス、新しい市場や顧客、新しいパートナーとの連携によって生み出される。
しかし、どんな新商品・サービスを創ればよいのか、どんな市場に打って出ればよいのか、それを考えるヒントがほしいのが正直なところだ。
それに対する答えの一つは

自社の価値力は顧客が知っている

と考えることだ。
顧客は対価を氏はtらって自社の商品・サービスを購入してくれる存在。
当然それらに対して何らかの価値を見出しているからこそ購買につながる。
特に、通常の取引に加えて

もしかしてこんなこともできないか?

とオーダーされることがあれば、そこには顧客の自社に対する期待が込められていると考えるべきだろう。
言い換えると、自社の可能性を顧客が先に読み取って、オーダーとして教えてくれていると思うことができる。
どのような企業でも一度や二度はそんなオーダーを受けたことがあるはずで、それに対して

なぜそのオーダーに応えられるとお客様が判断したのか

を少し突き詰めると、顧客が自社に対して向けた期待が見えてくる。
それが『将来の利益」につながる事業の種になる可能性があるのだ。
顧客についてもうう一つ。

お客様から大いに感謝された経験

を紐解いてみるのも良い。
顧客のニーズにぴったりマッチした自社の動きとそれを支える能力が見えてくる。

このように顧客を通して自社の価値を見いだすことに取り組んだなら、次にはその価値にうまくマッチする顧客を選定することが出来るようになる。
顧客の選定がしっかりできれば、獲得のための手段も高い角度で選べるようになる。
かくして、自社の価値を適切な顧客に提供するチャネルが開かれるのだ。

3 強化するプロセスと人材

自社の価値を実際に適切な顧客に提供するには、顧客との関係性の構築や、バリューチェーンが無理なくつながるような業務プロセスの改善、顧客への提供価値を向上させるような取り組みが必要になる。
社内の様々なプロセスのどこをどう強化するかが定まると、そのためにどのような人材や組織が必要になるかを定義することができるようになる。
これは採用の際の必要な人材の仕様を定め、育成方針・方法を明確にする。
逆に、利益や顧客、プロセスについて一貫して考えない限り、適切な採用はおぼつかないといえる。

顧客は商品・サービスに対して金銭という対価を支払うが、社員は会社の存在そのものに対してその人の持つ時間の多くを支払うのだから、むしろこちらのほうが重要な顧客だといえるだろう。
人材の採用にあたっては、顧客に対する以上の情報量と情熱を持ってプロモーションをする必要がある。

ハローワークや大学のキャリアセンターに求人票一枚だせば採用できると考えるのは、お客様に商品を見せもせず売ろうとしているのに等しいこと。

それを理解して採用活動に望まなければ、『将来の利益」を生み出す人材に出会えないのも当然のことだろう。

このように、利益を起点に人材まで一気通貫に考えることができれば、戦略はあらかた策定されたといえる。
それは同時に企業が新しい事業へのスタートラインに立ったということでもある。
こういったことを自力でできる企業を増やすこと、それが若い人たちの活躍の場を広げることにつながる。
その流れをつくるのは私自身の重要な役割なのだと思っている。
このセミナー、今後大きく展開するつもりだ。

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