アクティブラーニングの設計に関する研修

学生の主体的な学びを促進するためには  ーCOC+事業の活用を例としてー というもので、COC+を絡めつつも、アクティブラーニングを促進するための手法についてお話し、簡単な演習にも参加していただいた。 いかに、経の内容を簡単に記す。

1 Active Learningへの流れ

アクティブラーニングが求められる背景としては、今後の社会で必要とされると言われているスキルに対する考え方がある。たとえばOECDが提唱するキー・コンピテンシーには
  1. Using Tools Interactively(相互作用的に道具を用いる)
  2. Interacting in Heterogeneous Groups(異質な集団で交流する)
  3. Acting Autonomously(自律的に活動する)
と言ったものが示されているし、21世紀型スキルとしては、 知識社会の構築と発展に寄与する、新たな知識を構築する能力 が必要であるとされ、その獲得に
  1. 学習目標から後戻りする方法(working backward from goals)
  2. 新しいコンピテンシーの創発(emergence of new competencies)
という二つのアプローチが必要であるとされている。 一方、日本の高等教育の流れに目を転じると、大学のユニバーサル化の中で、1991年の「大学設置基準の大綱化」によって「四年間一貫したカリキュラムの設計とマネジメントが求められ、2012年の中教審答申では、「学士力」と呼ばれる汎用的能力がクローズアップされ、あらためて教学マネジメントの重要性と、大学における学びの転換が求められるようになった。

2 Deep Active Learningの考え方

アクティブラーニングについては、2012年の中教審答申において、「学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」と定義され、「発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である」とされている。さらに、海外では”anything that involves students in doing things and thinking about the things they are doing” (Bonwell & Eison, 1991)というメタ学習的な考え方が示されており、単なるワークショップがアクティブラーニングではないことがわかる。 いわゆる外化ばかりではなく、「外的活動における能動性だけでなく内的活動における能動性も重視した学習」が必要である(松下, 2015)

3 Deep Active Learningの考え方

学習には、知識を獲得するだけの「浅い学習」から、それを用いた推論や応用にまで取り組む「深い学習」がある。「深い学習」には「浅い学習」の部分も含まれており、必要に応じて全体に取り組む必要がある。 知識を得るための学習の方法としては知識伝達型の機械論的アプローチ、推論を強化する際にはフィールド体験型の解釈論的アプローチ、応用を深めるためには仮説検証型の批判論的アプローチが適しており、それぞれの科目のカリキュラム上の位置づけをもとに適切な手法を用いる必要がある。 一方、個別の科目のレベルでは、
  1. 認知的コンフリクト:既有の知識では対応できない環境に学生を置く
  2. 学習者の相互作用:協働による仮説検証プロセスを繰り返す環境を作る
  3. 形成的評価:信頼性の高いフィードバックを適宜伝える
ことによって、科目としても、カリキュラムとしてもディープ・アクティブラーニングを進めていくことが可能になる これらのことをお伝えした上で、COC事業/COC+事業で取り組んでいる各種の授業のみにカリキュラムとしての設計や、個別科目の「仕込み」や運用手法をご紹介し、参加した人たちが自分自身の科目でどのような工夫をするのがよいかをグループワークを通して考えていただいた。 短時間に相当量のコンテンツを詰め込んだので消化不良もあったかもしれない。 次の機会には、ごく一部に集約した研修ができると良いなと考えている。]]>

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