社会システムの馴化ができるコーディネーターの養成

経営者の皆さんは、基本的に自社の成長発展のために常に頭を使っている。 将来の自社のあるべき姿を描き、そこに至る道程とクリアすべき課題を考え、戦略を立てひとつひとつの課題を解決してゆく。 では、それに伴走するコーディネーターの役割とはどのようなものか。 コーディネーターとしての経験値が低いときには、経営者の構想に寄り添って、それを実現するために必要な資源をマッチングし、プロジェクトに伴走することが重要な役割になる。 経営者の片腕的な役割を果たす段階だ。 少し経験を積んだコーディネーターの場合は、企業の置かれている外部環境を経営者以上に正確に分析し、内部資源を経営者よりも冷静に見極め、その企業の発展性に対して自分なりの可能性をイメージしつつ経営者に寄り添う。 この時点で、コーディネーターは経営者のパートナーになる。 この段階までは、経営の勉強とコーディネートの実務経験を重ねる中で多くの人がなれるし、ビジネスコンサルティングの手法なども大いに活用できる。 問題は次の段階だ。 それは、企業の活動をその企業単体として見ずに、地域や社会の動きとの相互作用として俯瞰し、地域と企業、地域と社会の共進化を促すという役割。 企業のCSRやCSVと通じる部分もあるが、企業を地域や社会というシステム(系)系における相互作用をする一要素として、他の主体と同列に扱っているところに違いがある。 すなわち、地域や社会と企業を分けられた存在として見ていないということだ。 このような考えに立てば、企業とそれ以外の主体(個人、団体)、あるいは企業の中の個人を含むさまざまな相互作用をどのように構造化していくかが重要なことだとわかる。 経営革新と地域や社会の革新が相互に連環することを目指したプロジェクトの設計や運用が求められる。 そのために、設計の段階で、当該企業の事業やプロジェクトが地域や社会の中でどのような意味を持ち、それによって地域や社会のどのような資源と連結しているのか、今後連結しうるのかをマッピングする。 それによって、その企業を含む生態系の構造が見えてくる。 特に意識するのは、

その企業が取り組む事業やプロジェクトが地域や社会にどのような影響を与え、 それが自社にどんな影響として帰ってくるか

という点。 特に重要なのは後半で、それは自社の取り組みが、周囲の環境を変え、それに自社が適応しなければならないことを表す。 しかもそれは、自社のアクションから直接的に想定しきれるものではなく、

逐次的に影響を見定めそれに適応していく必要がある

ため、それが可能な体制づくりも並行して進める必要がある。

当初設計できる成果目標が、自らのアクションを通して変化する

ということを織り込んだ設計と運用が求められる。 言葉にすると大した分量ではないが、それを実現するには、
  1. 常に構造を理解すべく、地域や社会の出来事を観察し意味づけしている
  2. 様々な主体の行動原理や目標を理解している
  3. 様々な主体の取り組みを妨げずに、適切な相互お作用を促すことができる そのためには、定まった成果に向かってコントロールするマネジメントではなく、発散しない範囲内で状況の変化を受け入れながら修正を繰り返すハーネシング(馴化)が必要 馴化は、①多様性の確保、②局所的な相互作用の促進、③情報やエネルギーの注入、④それによる相互作用の一部の淘汰からなる (これはまた別の稿で詳しく解説したい)
といったことが求められる。 そこまでイメージした上でのコーディネーター養成。 担当者一同、かなりのエネルギーを投入しているのだと、改めて感じた。 がんばろう♪]]>

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